法人携帯を私用利用されてしまったら?罰則を科すべきなのか解説
法人携帯とは企業が社員に貸与するものであり、本来、社員は法人携帯を仕事でしか使用できません。しかし、法人携帯をプライベートで使う社員は珍しくないのが事実です。この記事では、そんな違反行為によるリスクや、万が一の処分についてお伝えします。法人携帯を導入しようと考えている人は、ぜひご一読ください。
法人携帯を私用利用されるリスク
近年、法人携帯を導入する会社が増えました。法人携帯とは企業が社員に貸与する携帯電話のことで、社員は法人携帯を使って仕事をします。
法人携帯は、携帯会社によって強固なセキュリティサービスが提供されており、企業にとっても社員にとっても、一見、便利なものです。しかし、社員が法人携帯をプライベートで使ってしまうと、さまざまなトラブルが生じる可能性があります。法人携帯は、毎日頻繁に使うものなので、私物であるかのような感覚に陥りやすいです。
また、企業の規範を乱す違反行為には、詐欺や痴漢などの犯罪行為、セクハラや賭博などの風紀違反、2週間以上の無断欠勤などが知られていますが、法人携帯の私用利用についてはあまり知られていません。そのため、「法人携帯をプライベートで少し使うくらい、許されるのでは?」と思っている人も多く、社員に法人携帯を私用利用されてしまうリスクがあるのです。
法人携帯の私用利用は懲戒処分にあたいする
では、法人携帯の私用利用は、企業にとってどんな点で不利益なのでしょうか。それは、主に2つあります。
・経費の横領になる点
・セキュリティ面での規律違反になる点
それぞれ詳しくお伝えします。
経費の横領
通信コストなどの法人携帯を使うことでかかる費用は、会社の経費から出されます。そのため、法人携帯をプライベートで使うことは、経費の横領とも捉えられるのです。
数名の私用利用では、大きな問題にはならないかもしれませんが、私用利用する人が多くなれば、その分、会社の経費を圧迫します。経費を横領したとして懲戒処分を科す場合や、賠償請求ができる場合もあります。
セキュリティ面での規律違反
法人携帯には、顧客情報はもちろん、企業の社内情報なども入っています。これらの情報は、社外には漏れてはならない重要なものです。そんな重要な情報が流出してしまえば、企業が社会的制裁を受け、倒産に追い込まれる可能性もあるでしょう。
だからこそ、乗っ取りやウイルス感染、サイバー攻撃など、情報漏洩のリスクを高める私用使用は、セキュリティ面での重大な規律違反として処分を科すことが必要です。
法人携帯の私用使用には懲戒処分を!
以上のことから、法人携帯の私用利用は企業にとって不利益であることがお分かりいただけたかと思います。このようなことにならないためにも、法人携帯の私用利用には懲戒処分を下すことが必要でしょう。
懲戒処分とは、違反行為を行った従業員に対して企業が行う制裁のことです。具体的には、戒告・減給・出勤停止・降格・解雇など、いくつか種類があります。処分の重さは、違反行為の度合いによって決められます。
法人携帯の私用利用を防ぐ方法とは
ここまで、や法人携帯の私用利用は懲戒処分を解説してきました。法人携帯の私用利用がどれほどリスクの大きなものなのかお分かりいただけたと思います。では、この法人携帯の私用利用を防ぐためには、企業は何ができるのでしょうか。方法は3つあります。
各端末にかかる月々の料金を把握する
各端末にかかる月々の料金を把握しましょう。一般的に、法人携帯は法人契約されており、料金が一括で請求されます。しかし、各端末にかかる月々の料金を把握しておくことで、請求金額が高額になった際に私用利用を疑うことができるでしょう。
法人携帯を利用する際のルールや規則を定める
社員に法人携帯を配るなら、ルールや規則を必ず設定し、周知してください。そうすることで、社員も私用利用を控えられるでしょう。未然に防げることは、経費横領や情報漏洩のリスクを下げることにもつながります。万が一、社員が違反行為を行った際にも、正当に処分できます。
一括管理サービスを利用する
大手携帯会社は、法人携帯の契約の中に、契約端末を遠隔操作できたり、利用履歴の確認ができたりする「一括管理サービス」というものを用意しています。この一括管理サービスを使えば、月々の料金を確認できることはもちろん、アプリの利用制限や、端末紛失時の遠隔ロック・データ消去などセキュリティ面でも安心の機能が利用できます。
社員が法人携帯をプライベートで使ってしまうと、通信料などが余計にかかるだけでなく、顧客情報・社内情報などの重要な情報が漏洩してしまうリスクがあります。そのため、法人携帯の私用利用は重大な違反行為として懲戒処分が必要です。
万が一の際に正当に処分を下すためにも、未然に私用利用を防ぐためにも、法人携帯についてのルールや規則を設定することが重要です。携帯会社の一括管理サービスを利用するのも便利でしょう。